街ウォッチング  VOL-3-6 ダイナミックシンメトリー

街ウォッチング  VOL-3-6 ダイナミックシンメトリー

「ダイナミックシンメトリー」という言葉をご存じでしょうか。
先週のブログで「シンメトリー」の噴水と「非対称」の噴水の話をしてみました。

名古屋市栄地区の街並みについて、ほんの少し昔は、建物には31mという建築基準法に関わる高さの規制がありました。そのため、街並みの左右の建物の高さがそろっていました。有名なのは大阪の御堂筋の左右同じ高さのビルが建ち並んだ街並みです。今はその街並みも大きく変わっています。
昔の中日ビルも31mの高さで、その31mの高さに10階分を押し込んでいましたので、それぞれの階の高さが低く、いろいろなお店の天井も低くなっていた記憶をお持ちの方もおられると思います。
建築技術が発展してきましたので、高さも東京タワーを超える建物も現れてきました。名古屋でも名古屋テレビ塔の180mを超える高さの建物も至る所で完成してきています。

江戸時代の宿場街もどことなく左右対称の風景であったと思います。中二階の建物で軒先がそろっていたり、屋根の方向もほぼ一緒な街並みでした。屋根や外壁の材料も地産地消の関係で同一材料であったため、今でもまとまった風景を見ることができます。

戦後も街並みは自然と「シンメトリー」で街が作られてきました。しかし、今はその風景を大きく変えています。「ダイナミックシンメトリー」という言葉からもわかるように、街の風景に力強さを感じるのは私だけでないと思います。

季節が良くなりましたので「街ウォッチング」をしてみてはいかがでしょうか。

           澤 我二 2025年10月16日 アップ